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2025.06.30 [ 社会貢献 ]

A型作業所と地域をつなげる試みをスタート

A型作業所と地域をつなげる試みをスタート

ワークショップを通じてA型作業所と地域課題の解決への糸口を探る

 

就労継続支援A型事業所(いわゆる「A型作業所※」)はこの数年で増加傾向にありました。平成28年には全国で3,419事業所だったのが、令和4年には4,323事業所に増え、利用者数も約64,000人から約83,000人へと増加しています。

この背景には、障がい者の社会参加や就労支援のニーズの高まり、そして企業の障がい者雇用義務の強化などがあります。ただし、最近では報酬制度の見直しや経営の厳しさから、閉鎖を余儀なくされる事業所も増えているという現実もあります。

ニーズが高まっているにも関わらず、現実は事業所が減っている背景としては、2024年の報酬改定により、利用者が生み出す事業収益が最低賃金や社会保険料を上回ることが求められるようになりました。しかし、軽作業中心の業務では高い収益を確保できない、利用者の障がいや体調により、安定した勤務や高い生産性を維持するのが難しいため、事業所の収益性に直結しにくいという構造的な問題があり、持続可能な経営が困難になっています。また、社会的偏見と低単価の仕事に偏ることも背景にあります。

これらの課題に対しては、高単価な業務の導入や地域との連携強化、利用者のスキルアップ支援などが必要であるとされています。

A型作業所にとって地域との連携強化は、単価の高い業務や継続的な受注が可能になります。障がい者の方も「仕事を通じ自分以外の誰かの役に立ちたい!人から”ありがとう“と言われたい!」その気持ちは、障がいがない人も同じです。地域の中で働くことで、利用者が「社会の一員」としての実感を持ちやすくなり、自立支援や就労意欲の向上にもつながります。

そして、地域課題の解決に貢献するという一面もあります。高齢化や人手不足といった地域課題に対し、A型事業所が労働力として貢献することで、地域からの信頼と支持を得やすくなります。

瀬戸市は他の同規模の市町に比べてA型作業所の数が比較的多い方であり、地域との連携を活かした取り組みがいくつか行われています。瀬戸市の伝統産業である陶器の絵付け作業を取り入れており、地域文化の継承にも貢献しています。

今回、グループワークを行ったA型作業所は名古屋市名東区にある「ほまれの家」の方々です。弊社大橋運輸とは、業務内のリサイクル品の関連でつながりができました。A型作業所と地域が抱える課題の解決の糸口が見つからないか方法を探るべく、今回のワークショップ(鉢の絵付け体験)を開催しました。作業所の方には仕事の楽しさ、人に喜んでもらう為に今の自分にできる事を考えてもらう場に。また参加者の方々へは障がい者の方への理解を深めてもらう場になればと考えました。参加者は大橋運輸が地域向けに開催している運動教室に参加されている高齢者の方々です。参加者を3名程度のグループに分け、グループに1人A型作業者の利用者さんを配置し行いました。

ワークショップで絵付けの方法を伝えていく中で、自然と会話が生まれていました。参加している高齢者の方々からA型作業所について聞く場面も見られ、理解を深めていきました。高齢者の方々にとっては、社会参加することで「生きがい」ができ、普段はサポートされる側からサポートする側になり社会の中での役割が増え、健康寿命の延伸につながる場になったと思います。

今回のワークショップを通して、A型作業所の利用者さんといっても一人一人特性や得意不得意なことがあり、A型作業所内での労働や、一般就労に向けて個々の人の特性に合わせたサポートが必要であると感じました。

現在の日本の障がい者の法定雇用は2.5%であり、2026年には2.7%に引き上げられる予定です。弊社大橋運輸(株)は現在4.9%と法定雇用よりも高い雇用率を実現していますが、誰もが職業を通じた社会参加のできる共生社会の実現のために今後も取り組むべき課題だと思っています。

A型作業所から一般就労への移行率は約25%です。一般就労に移行しても、短期離職や再就職の難しさから、再びA型作業所に戻るケースもあります。特に2024年の報酬改定以降、A型事業所の閉鎖が増加しており、移行後の不安定さも課題となっています。障がい者雇用を進めている弊社としては、受け入れる側として改めて障がい者雇用は職場全体で支えるべき取り組みであり、共通の理解と協力体制が必要だと感じました。 また、一人一人の特性や必要な配慮を共有し、具体的な支援内容や業務上の工夫に焦点を当てることで、障がいがある方だけでなく全社員にとって働きやすい職場になっていくと考えられます。

今後も地域共生社会の実現に向けた取り組みの一環としてこの活動を続けていきたいと思います。


※「A型事業所」と「B型事業所」は、どちらも障害のある方が働く機会を得るための「就労継続支援事業所」ですが、雇用契約の有無や対象者の特性などに違いがあります。

〇「A型事業所」は働く訓練+雇用

雇用契約があり、最低賃金以上の「給与」があります。比較的軽度の障害があり、一定の勤務が可能な方が対象。作業内容は軽作業、接客、データ入力などで、一般就労への移行率は約25%です。

〇「B型事業所」は働く体験+福祉的支援

雇用契約はなく、成果に応じた「工賃」(平均1.5万円/月程度)が支払われます。就労が困難で、体調や障害の程度により柔軟な支援が必要な方が対象。作業内容は袋詰め、清掃、農作業、手工芸などで、一般就労への移行率は約13%です。

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